第340章 間違った決定

「葉田静香は密航でもしたんじゃないかしら。でなきゃ、警察が見つけられないなんておかしいもの……あいつが見つからないと、詩央がどこの子なのか、手がかりが掴めないわ」

「叔母さんも、身元の分からない子を養子にするのは気が進まないでしょうし……」

 佐藤愛の口から葉田静香の名が出た瞬間、北村辰はわずかに眉を寄せた。

 ここしばらく、彼もまた葉田静香の行方を追っていたのだ。だが、手掛かりは皆無。警察の言う通り、彼女はまるで人間蒸発でもしたかのように、ぷっつりと足取りが消えていた。

「そう焦るな。その件については僕も気にかけている。葉田静香の情報が入れば、すぐに教えるよ」

「それに、清歓さん...

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