第343章 売られたくない

 山田真里の言葉で、中村純子はハッと我に返った。

 そうだ、山田真里の言う通りだ。あの佐藤愛とかいう女は、まるで泥棒猫のように息子をたぶらかしているに違いない。でなければ、あの子が母親である自分に、あんな酷い態度を取るはずがないのだ。

 北村辰の目を覚まさせるには、母親である自分が、あの佐藤愛を息子のそばから追い払わなければならない。

 そう決心すると、中村純子の全身に再びやる気がみなぎってきた。

 一方、北村辰は北村萧、鈴木ククを引き連れ、佐藤愛がさらわれた現場へと急行していた。

 到着後、すぐに現場検証を行ったが、残されていたのは不審なタイヤの痕跡のみ。それ以外の手がかりは皆無...

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