第414章 婚約は認めない

「佐藤清歓、口ではあなたに勝てないわ。でも、それは私が佐藤家を恐れているという意味じゃない」

「北村辰は私の息子よ。私が許さない限り、佐藤愛が辰に嫁ぐことなんて、未来永劫ありえないから」

「いい気にならないで……」

 言い負かされた中村純子は、佐藤清歓から何の利益も引き出せず、その怒りの矛先をすべて佐藤愛に向けるしかなかった。

 辰と愛の結婚を盾に脅す以外、彼女の手には佐藤家を揺さぶる弱みが何一つ残っていなかったのだ。

 捨て台詞を残し、中村純子は踵を返す。

 彼女が佐藤家の別荘を出ようとした矢先、車で駆けつけた北村辰と鉢合わせになった。母親が般若のような形相で出てくるのを見て、...

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