第428章 婚約破棄

 北村隆夫は佐藤お爺さんの前に進み出ると、恭しく挨拶をした。「佐藤さん、ご無沙汰しております。お加減はいかがですか」

 佐藤お爺さんは重々しく頷いた。「ああ、おかげさまでな。気遣い感謝するよ」

「とんでもないことです」

 二人は当たり障りのない挨拶を交わした。

 その隆夫の傍らに立つ中村純子は、佐藤お爺さんに頭を下げようともしない。その不機嫌さを隠そうともしない表情からは、佐藤家に対する敵意が滲み出ており、佐藤お爺さんもそれを敏感に感じ取っていた。

 佐藤お爺さんの顔色が、わずかに曇る。

 北村お爺さんは顔に泥を塗られた気分だった。場の空気を和らげようと、彼は純子に声をかける。「...

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