第433章 彼女は負けた

「中村社長。まさかご自分の行いを、北村社長がご存じないとでも思っていたのですか? 実のところ、社長はすべてお見通しでしたよ」

「お母様の実の妹だからと、これまで何度も目をつぶってこられたのです。それなのに、あなたがこれほど増長するとは」

「中村社長、どうぞ」

 高橋安は出口に向かって手を差し出した。その意図は明白だ。北村グループから出ていけ、ということである。

 中村美緒の顔が、鬱血したように赤く染まる。

 今の彼女には、北村辰に対抗する力など残されていない。叔母という立場を利用してこれ以上圧力をかければ、辰は躊躇なく法的手段に訴え、彼女を刑務所送りにするだろう。

 だが、四十を...

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