第82章 お前たちを信じたのが無駄だった

「そうよ、クク。みんな忙しいんだから、学生の遊びに付き合ってる暇なんてないでしょ? こんなボロい孤児院に、北村星やエラみたいな大スターが来るわけないじゃない」

「だよな。そろそろ引き上げようぜ」

記者たちの中から、帰ろうという声が上がり始めた。

鈴木ククは少しカッとなりかけたが、辛抱強く記者たちをなだめ、どうにか世論を抑えつけた。

そしてすぐさま、佐藤愛の元へ向かった。

佐藤愛の周りは、大混乱に陥っていた。北村星とエラが現れないため、高村楓と川原裕子、そして孤児院の三上さんが佐藤愛を取り囲み、どうにか事態を収拾しようと策を練っていたのだ。

「佐藤愛、もし北村星とエラが来な...

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