103.地下オークション会場

中田雪子は少し呆然としていた。石原絵梨花の身から、どうして伽羅なんてものが落ちてきたのか――理解が追いつかない。

石原絵梨花に問われると、雪子は顎をすっと上げ、尊大に言い放った。

「当たり前でしょ! この中田雪子、いちおう西京市に嫁いだ身よ。伽羅くらい分からないわけないじゃない」

これまで雪子は、夫が伽羅を使う場面を何度も見てきた。もっとも、それは決まって「お客様」が来る時だけ。夫の家の顔を潰したくなくて、見下されたくなくて、雪子は必死に調べて覚えた。だから基礎的な知識だけはある。

とはいえ、雪子が見て、嗅いだことがあるのは黄級の伽羅だけだ。夫の家にあるのも黄級止まり。だが黄級でさえ...

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