107.君たちどうしてなんだかかなり親しそうだな

放課後。石原絵梨花は振り返りもせず、そのまま校門を抜けた。

木村爺さんにも、松岡友希たちにも行き先は告げない。タクシーを拾って、病院へ向かう。

車内で、スマホが唐突に鳴った。表示は白崎健夫。

暇つぶしみたいな顔のまま、絵梨花は通話ボタンを押す。

「石原さん。以前、あなたが『特殊部門の連中は自分から陽城を離れる』って言ってましたよね。あの時点で、もう“あそこ”が動くって分かってたんじゃないですか」

受話口から飛んできた声は、落ち着きを欠いていた。

絵梨花は気怠げに視線だけ窓へやったまま、淡々と返す。

「わざわざ電話してまで聞きたいの、それ」

白崎健夫は自分のオフィスにいた。

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