011.何にもかも人を彼女と比べないでよ

授業開始のチャイムが鳴った瞬間、安田莉子はさすがに我慢できなくなった。身を乗り出し、できるだけ音を立てないようにして石原絵梨花を呼ぶ。

「石原さん、授業だよ」

何度か呼んで、ようやく石原絵梨花がのろのろと顔を上げた。眠気がそのまま張りついたような表情。

教室に入ってきた教師をちらりと見た彼女は、全身から「興味ない」とでも言いたげだったが、それでも一応は寝落ちせず、片手で頬杖をついて座り直す。

……が、数分も経たないうちに、また瞼が落ちた。

教壇の教師は、好き勝手に過ごしている7組の生徒たちを一度だけ見渡し――見なかったことにして、淡々と授業を続けた。

……

昼休みのチャイムが鳴...

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