115.わざとじゃないだろうね

翌日。

福原優奈の事故はあまりにも突然で、渡部岳人は頭を抱えた。福原優奈は、三高から市主催のピアノコンクールへ送り出す出場者だったのだ。彼女が出られないとなれば、そのまま「欠場」を意味する。

とはいえ、三高が彼女一人のために大会そのものを投げるわけにもいかない。

学校としてこの手のコンクールをそこまで重く見ていなかったとしても、「三高」の看板は看板だ。欠場などすれば、他校に笑われる。

だから渡部岳人は、先に病院へ見舞いに行くことすら後回しにし、すぐ学校へ報告を入れた。

学校の幹部層も、話を聞いた瞬間に顔をしかめた。

とくに、代役になれそうなピアノ経験者を呼び出して確認してみれば、...

ログインして続きを読む