124.とぼけるな、同じものだ

その夜、石原絵梨花はずいぶん長いこと考えていた。松岡友希が探している「その人」とは、いったい誰なのか。

結局、松岡友希には何も聞かないまま、病院を出て水園へ戻った。

水園32号では早山恵也が待ち構えていて、石原絵梨花の姿を見つけるなり、紙を一枚差し出してくる。

「これ。上に書いてあるやつ、誰か使って回収してきて。終わったら使うから」

「……うん」

石原絵梨花の返事は低かった。

早山恵也は気づかない。彼女の後ろにぴったりついて歩きながら、面白がるように言う。

「お前がいない間にさ。お前が言ってた、伽羅を置いてた部屋、見てきたんだけど……ひとつ聞いていい?」

「聞くか迷うなら、や...

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