128.石原絵梨花を信じること

リーダーの胸の内がどれほど狂ったように叫んでいるかなど、石原絵梨花は知る由もない。

実際、呆気に取られていたのはリーダーだけじゃなかった。会場にいる他校の先生も、巡回の教師たちも、揃って目を丸くしている。

さっき石原絵梨花に首を振られていた女教師が一瞬固まり、我に返るなり早足で彼女へ向かった。

「そこの生徒さん。競技中に勝手に席を離れたらいけないって、分かってる? 規定違反よ。大会委員会の判断で失格になることもあるの」

場外のリーダー「!!!」

歩き出していた石原絵梨花は、その声にぴたりと足を止めた。視線だけを上げ、女教師を見る。表情には、わずかな疑問。

「……何。早めに提出しち...

ログインして続きを読む