013.今の女の子はお菓子を食べながらドラマを追うのが好きじゃない?

そう言い終えると、石原絵梨花は視線を引っ込め、階段へ向かった。

石原幸雄の心臓がひゅっと跳ね上がる。ぎょっとして石原聡美に目配せした。絵梨花はいつ戻ってきたんだ、と。

石原聡美はきょとんとしている。

このタイミングで石原絵梨花が帰ってくるなんて、思いもしなかったのだ。

絵梨花がもう階段口まで来ているのを見て、石原幸雄は慌ててソファを回り込み、追いすがった。

「絵梨花、どうして一人で帰ってきた? 七緒は?」

どこまで聞かれていたのか分からない。さっきの話題には触れられない。

石原絵梨花は表情ひとつ崩さず、短く言った。

「物を取りに来ただけ」

石原幸雄はそこでようやく、絵梨花が...

ログインして続きを読む