014.地級

松岡友希の料理は手際がいい。石原絵梨花はほとんど待たされることもなく食卓につき、目の前に並んだ料理の数々を見た途端、表情がすっとほどけた。どこか大人しく、素直で、話が通じそうな顔になる。

松岡友希は、彼女がついでに持ってきた菓子袋にちらりと視線を投げると、身を乗り出してそれをさらりと回収した。

石原絵梨花の箸が、ぴたりと止まる。澄んだ目が松岡友希を捉えた。

松岡友希は椀にスープをよそい、差し出す。

「先に飯」

石原絵梨花は「……ん」とだけ返し、受け取って一口。目をわずかに細める。さっきよりさらに扱いやすそうな顔になった。

それから、ふと尋ねる。

「レストラン、やってるの?」

...

ログインして続きを読む