142.ある人物を調べたい

一方、その頃。

石原絵梨花は病院を出ると、そのまま水園へ戻った。

帰宅した時、早山恵也もいた。ちょうど実験室から上がってきたところで、台所で何かつまむものでも探そうとしていたらしい。

玄関の開く音に振り返った早山は、無表情のまま入ってくる石原絵梨花を見つける。

「え? 今日って試験じゃなかった? 学校で夜間自習して復習してるんじゃ……」

石原絵梨花は返事もせず、階段へ向かった。

早山恵也は首を傾げる。

すれ違った瞬間、鼻先を刺す鉄の匂いがした。早山の視線が彼女の右手に落ちる。包帯に血が滲み、乾きかけている。

「……は?」

反射的に踵を返し、早山は追いかけながら階段を上がった...

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