145.トラブルを持ち込んでくる

食事の最中、石原絵梨花は何度か顔を上げて松岡友希を見た。十八年前の“あの場所”のことを、どうして彼が調べているのか――聞きたい気持ちはある。

けれど、結局口にはしなかった。

代わりに松岡友希のほうが、石原絵梨花が四度目に視線を向けた瞬間、ふいに顔を上げて目を合わせる。

「どうした?」

石原絵梨花の手が、ぴたりと止まる。首を横に振った。

「別に。何でもない」

話題を切り替えるように、石原絵梨花は訊いた。

「木村爺さんは?」

「病状は安定してる」

つまり、良くも悪くもなっていない。

石原絵梨花は眉を寄せる。

「早山恵も絡んでるなら……やっぱり厄介?」

松岡友希は石原絵梨花...

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