168.この女はいったい何者だ

木村爺さんは、昂ぶりのあまり何を言えばいいのか分からなくなっていた。

五年だ。

石原絵梨花を五年かけて口説き続けても、首を縦に振らせられなかった。

それが今――ついに、彼女が頷いた。

自分の後継者だと、認めたのだ。

木村爺さんは満面の笑みになり、石原絵梨花を指さして矢継ぎ早に言った。

「そうそうそう! わしのことは、この子が全部決めていい! 何かあるなら絵梨花に聞け、同じことだ!」

中年の男たち三人は、

「……?!!」

と、言葉を失った。

いつの間に後継者を決めた?

しかも西京市には、そんな話ひとつも下りてきていない。

いくらなんでも急すぎる。

三人は呆けたまま、恐...

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