173.大物の世界彼女には分からない

石原絵梨花の第一反応は――さすがに、ない。

華国の特殊部門と特盟が繋がっているはずがないと分かっていなければ、示し合わせていたんじゃないかと疑うところだった。

――待って。

石原絵梨花ははっとして、櫻井翔太に訊いた。

「ねえ。特盟の人間に、私が華国にいるって言った?」

『言うわけないだろ。お前の情報を俺が適当にばら撒くと思う? あり得ない』

石原絵梨花の眼差しが、すっと冷える。

自分が華国の陽城にいるという情報は、アーク・ネットのバックエンド経由で、裏口から特殊部門にだけ流したはずだ。

アーク・ネットには隙がない。システムも、組み込まれたファイアウォールも、設計から組み上げま...

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