188. もう準備はできた

アリスはそのメッセージを送ったきり、ぱたりと音沙汰がなくなった。

石原絵梨花は思わず口元をゆるめ、くすりと笑って首を振る。――やっぱり、知っているアリスのままだ。

それからスマホをしまおうとした、その瞬間。

画面に通知が跳ねた。松岡友希からだ。

『今日の夜、急用が入った。夕飯は一緒に行けない』

ちょうどいい。石原絵梨花も、今夜は彼のところへ行かないつもりだった。

この流れに乗って、彼女はすぐに『了解』とだけ返した。

……

放課後。

石原絵梨花は「富山由紀と世紀ホテルへ行く」という予定を思い出し、手早く荷物をまとめて校門へ向かった。

富山由紀はすでに外で待っていた。路肩に停...

ログインして続きを読む