194. 見知らぬ連絡先

「知ってるわ」松岡友希は淡々と言った。

松岡翼は本当なら、友希を説得するための言葉をいくつも用意していた。だが、その一言で喉元を塞がれたみたいに固まる。

「……ご存じ、なんですか? だったら、どうしてまだ……」

松岡友希は読み終えた書類をぱん、と閉じる。表情は一切揺れない。

「それで見抜けないなら、あの子は私の後輩じゃない」

早山恵也に許可を出したのは、石原絵梨花の頼みを突っぱねたくなかったからだ。

承諾した瞬間に、松岡友希は起こり得る展開をすべて洗い出し、対処まで組み立てていた。

早山恵也は、あの場所に入ったことがある。なら、知ったところで必ずしも悪い話ではない。

……

...

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