024.携帯電話の着信音

石原絵梨花がそのメッセージを送ってから数分後、ようやく木村爺さんから返事が来た。焦ったような文面で、こうある。

「絵梨花、どうしたんだ?」

石原絵梨花はちらりと画面を見ただけで無視し、スマホを鞄に放り込んだ。

その頃にはもう、彼女は7組の教室前まで来ていた。扉は開け放たれていて、中にまだ誰かがいる。

入ってみると、いたのは岩本旭と白崎誠也。ほかに人影はない。

岩本旭が白崎誠也をからかうように言っていた。

「お前も大したもんだよな。普通は男が女の子を教室まで送るのに、お前は女の子に送られて――」

言い切る前に、岩本旭の視界の端に入ってきた石原絵梨花を見つけて、声がぷつりと途切れた...

ログインして続きを読む