028.サプライズ

新山は石原絵梨花の冷えた背中を見つめたまま、しばし呆けたように立ち尽くした。やがて小さく首を振り、何も言わずに彼女の後を追って車へ戻る。

案の定、後部座席には石原七緒が座っていた。手には参考書。絵梨花が来るまで、黙々と読み進めていたらしい。

ドアが開く音に、七緒は反射的に顔を上げる。絵梨花の姿を認めると、唇をきゅっと結び、視線を引っ込めた。

絵梨花は反対側の席に腰を下ろすと、シートに背を預け、鞄から帽子を取り出して被る。ついでに、つばを指で押し下げた。

前席の新山はエンジンをかけながら、ふと思い出したように言う。

「そうだ、絵梨花様。石原社長から伝言です。本日、石原家には大変重要な...

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