041.あまり調子に乗らないほうがいいぞ

安田莉子と村上佳奈は、もう何も言えなくなっていた。

相手が自分のピアノ――しかもあんな高いピアノ――を持っていくのは、確かに筋が通っている。

誰だって、自分のピアノを他人にベタベタ触られたら嫌だろう。万が一、どこか壊されたらどうする?

でも……なんでこう、こっちが居座って石原七緒をいじめてるみたいな空気になるの?

安田莉子は胸の奥が詰まって仕方なく、福原優奈を引き寄せると、顔色の悪いまま言った。

「……私たち、事情知らなかったし。運ぶなら運んで」

石原七緒はやわらかく笑って、気にしないでというふうに首を振った。

その後ろで、岩本旭がさすがに黙っていられなくなったのか、一歩前に出...

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