046.人の苦しみは他人に分かってもらえない

翌日――月例テスト当日。

石原絵梨花はもともと早起きだ。安田莉子たち三人がまだ寝息を立てているのを見て、足音を殺して洗面へ向かい、身支度を整える。制服に袖を通すと、そのまま寮を出た。

食堂は相変わらず、見慣れたメニューばかり。変わり映えはしない。

食べたいものも見当たらず、絵梨花は校門を抜けて外へ出た。屋台でも覗いてみようと思ったのだ。

夜明け前の空はまだ薄く、頬を撫でる風には夜の冷えが残っている。

絵梨花は襟を立て、制服をきゅっと掻き合わせながら歩いた。――最近、どんどん寒くなる。そろそろ厚手に替えないと。

水園32号には、確か季節物の服も揃っていたはずだ。アリスが用意した家は...

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