049.も本当に感服する

行き先がどこか――石原絵梨花には、もちろん分かっていた。

ただ、木村爺さんがそこへ行ったことがあるとは思っていなかった。

あそこは危険すぎる。

木村爺さんが、どうしてそんな場所へ?

それに木村爺さんは国学の巨匠で、国が特別に扱っている人物だ。普段の外出には必ず付き添いがつく。十八年前に一度だけ海外へ出て、数年滞在したことはあるが、それ以外の時間はほとんど研究院で過ごしてきたはずだ。

その間に、どこでそんな時間と機会があったというのか。

そこまで考えた瞬間、絵梨花の表情はわずかに沈んだ。

電話の向こうで木村爺さんが言葉に詰まる気配がした。しばらく間を置いてから、ようやく返ってくる...

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