052.まともな優等生がそんなことするわけないだろ

その頃――。

石原絵梨花は、連れてきた男性教師と並んで、そのまま数学チームの職員室へ向かった。

扉を開けた瞬間、正面からいくつもの視線が突き刺さる。

見れば、室内には数人の教師が座っていた。数学チームのリーダーに、7組の数学担当である鈴木。ほかにも見覚えのない顔が数名――おそらく同じ数学チームの面々だろう。

全員の表情が重い。険しい。空気がぴんと張り詰め、職員室というより、取り調べの場に近い。

石原絵梨花は眉をわずかに上げた。

彼女を連れてきた男性教師がリーダーの横へ歩み寄り、眉間に皺を寄せて言う。

「石原絵梨花は本当にひどいです。私が教室を覗いたとき、授業中なのに堂々と寝てい...

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