053.やり直すだけだ

「自分からカンニングしたとは言ってないけど……認める気はあるのか?」と鈴木が即座に言った。

数学チームのリーダーはため息をつき、石原絵梨花を責めるような視線を向ける。

「君が三高に入れたということは、少なくとも何かしら三高の基準に合っていたということだ。なのに、その機会を大事にしない。勉強もせず、やるべきことに力を注がない。……それで、君はご両親に顔向けできるのか?」

さっきまで石原絵梨花はほとんど表情を動かしていなかった。だがリーダーの最後の一言を聞いた瞬間、顔がすっと冷える。

黒く深い瞳が突き刺さり、見ているだけで胸の奥がきゅっと縮んだ。

「私が勉強してない? じゃあ、あなたた...

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