061.どの面下げて言ってるの?

石原幸雄だって、考えなかったわけじゃない。

石原絵梨花と正面から揉めさえしなければ――表向きは、まだ「仲のいい親子関係」を装える。昔みたいに、同じ家族として接していける。

たとえ絵梨花が五年も姿を消していたとしても、石原家は彼女と長い時間を過ごしてきたのだ。

どれだけ不満があっても、心のどこかに「石原家への情」くらいは残っているはず。幸雄は、そう信じた。

だからこそ、絵梨花を宥めて引き留めるために、石原聡美に謝らせようともした。

だが聡美は頑として首を縦に振らない。幸雄はそれで大喧嘩し、それでも聡美は折れず――結局、幸雄が自分で頭を下げるしかなくなった。

なのに。

ここまで姿勢...

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