075.彼女は人身売買されたことがある

石原七緒は、石原絵梨花が言い終えた瞬間、ばっと顔を上げた。

その視線は、絵梨花の身体に穴でも開けるつもりかというほど鋭い。

石原聡美が怒鳴る。

「七緒はあなたの妹でしょう! どうしてそんなことができるの!」

石原絵梨花は鼻で笑った。

「私が妹として扱う理由、あなたたちがくれた?」

石原幸雄はこめかみに青筋を浮かべ、息を吸って、どうにか言葉を整える。

「絵梨花。怒ってるのは分かる。だが、話は帰ってからにしろ。こんなところで外の人間に笑われる必要はない。妹と揉めてるなら、家で片をつけろ」

「でも、私は嫌」

「石原絵梨花!」

幸雄が腹の底から名を呼んだ。

「どうしてそんな、話...

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