081.君は悪魔なのか

二人が出ていくと、木村爺さんは石原絵梨花の正面に腰を下ろした。じっと見つめては、言いかけて飲み込む。そんな顔。

石原絵梨花は視線も上げず、箸を進めながら淡々と言う。

「言いたいことがあるなら、回りくどいのはやめて」

木村爺さんは乾いた笑いを二つ。

「絵梨花な、こういうことだ。わしはこれから陽城に腰を据える」

「だめ」

即答。

木村爺さんは間髪入れずに畳みかけた。

「遅い! もう主治医を陽城に呼んだ。午後には着く」

石原絵梨花の顔が、すっと暗くなる。

「……」

山口浩一は片手で顔を覆った。ほらな、こうなる。

石原絵梨花は箸を置き、椅子の背にもたれた。無言で木村爺さんを見...

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