第87章

ドアが開いた。

堀内陽平は、古城美雪が気持ちを変えてしまうのではないかと恐れるように、素早く身を翻して中に飛び込んだ。

「はぁ、君の家に入るのは本当に大変だね。入場料が高いよ」

今、灯りに照らされて、目の前の女性はバスローブで曲線美のある身体を包み込み、細い腰は片手で掴めそうなほど、頬は玉のように白く、人を魅了する。

堀内陽平の喉仏が、思わず上下に動いた。

「堀内さん、あなたの目はちょっと行儀が悪すぎるんじゃないですか」小林翔は冷たい表情で、不愉快そうな口調で言った。

「美しいものを愛でる心は誰にでもあるさ。俺の視線はまさに最高の芸術を鑑賞する視線で、ピュアウォーターよりもピュア...

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