第101章

言い終えるや否や、警備責任者が部下を引き連れて前へ出た。魂の抜けたような吉崎由紀と、死人みたいな顔色の大宮海人を左右から抱え上げ、そのままずるずると会場の外へ引きずっていく。

こうして、茶番はようやく幕を下ろした。

羽島浩介は自分の上着を脱ぎ、吉崎直子の肩へそっと掛ける。周囲の複雑な視線を一身に浴びながら、彼女を連れてその場を後にした。

帰り道。車内には重たい沈黙が落ちていた。

羽島浩介は前だけを見て運転している。だが顎のラインは張り詰め、流れていく街灯の光に照らされた横顔はひどく冷たかった。

騒動が片付いてから今に至るまで、彼は一言も口を開かない。

横目でその険しい表情を盗み見...

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