第11章

吉崎直子は、そんなゴミみたいなSMSなど最初から眼中になかった。

配信開始まであと5分。機材の調整をしているところへ、平村俊が血相を変えてスマホ片手に飛び込んでくる。

「羽島喜太郎がeスポ界隈で騒ぎ起こしてます。これ、見てください」

吉崎直子は眉を少しだけ上げ、スマホを受け取って画面を流し読むと、口元を歪めて冷たく笑った。

「……この程度?」

羽島喜太郎はゲーム掲示板に、偽造したチャットのスクショを投下していた。立場は〈直様〉の友人を名乗っての『暴露』。

内容はこうだ。

直様の正体は女。長年、彼女持ちのファン――いわゆる女友達風の熱狂層――の感情を騙してきた。

さらに、直様の...

ログインして続きを読む