第19章

「私にそんなこと言わないでくださいよ。水くさいじゃないですか!」

古田奥さんが、ふいに声を詰まらせた。

「そもそも、あのときあなたが背中を押してくれなかったら……手持ちを全部投資に回すなんて決断、私ひとりじゃできなかった。今みたいに有名投資家としてやり直せたのも、ぜんぶあなたのおかげよ!」

「離婚して、何もかも分からなくなってた私の……道しるべになってくれた。だから私がこれくらい手を貸すのなんて、当然でしょう?」

吉崎直子の視線が、ほんの少しずつ和らいでいく。

ハッカー大会に出場したとき、彼女は単身で海外へ渡った。

本番前夜、バーで酒に溺れていた古田奥さんと出くわったのが始まりだ...

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