第23章

羽島のお爺さんはすぐさま手を振り、否定した。

「いや、彼女が触れる機会なんてない。この紫珠はずっと私が保管してきた。他の者は一度も触れておらん。付いている指紋は、私と君のものだけのはずだ」

吉崎直子は口元を吊り上げ、神崎晴子の顔色がみるみる青ざめていくのを眺めた。

「なら話が早いですね。空原先生、お願いします」

神崎晴子は目に見えて強張った。

五分ほどの照合ののち、空原は採取した指紋の写しを皆の前に並べる。

「紋様と大きさで比べた結果、三種類の指紋が出ています。サイズも異なる」

「つまり、この紫珠には第三者が触れている。データベース照合に回す。所要は三十分ほどだ」

吉崎直子の...

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