第33章

「助けて……助けてっ!」

二人は水の中で必死にもがき、泥水をごくごくと飲み込んでしまう。

吉崎直子は腕を組み、池の縁に立ったまま、彼女たちの無様な姿を観賞していた。

先に落ちた神崎晴子が本当に危なくなってきた頃になって、ようやく直子は執事に合図し、人を呼ばせる。

ほどなくして、数人のボディーガードが二人を引き上げた。

騒ぎを聞きつけ、羽島お爺さんたちも後ろ庭へ駆けつけてくる。

毛布をかけられ、芝生に座らされてガタガタ震える神崎晴子と吉崎由紀を目にした瞬間、羽島お爺さんの顔色がどす黒く沈んだ。

「おまえたち、いったい何をやってる。みっともないにもほどがあるだろう」

羽島浩介はポ...

ログインして続きを読む