第34章

吉崎由紀が振り返ると、吉崎直子が陽だまりの中に立っていた。全身が柔らかな暖色に包まれ、髪はつややかで素直に光を弾く。薄化粧なのに、妙に目を引く色気がある。

それに比べて自分は、場違いな服のまま。羽島家の古い本邸で、これ以上ないほど恥を晒していた。

吉崎由紀は嫉妬で奥歯を噛みしめ、じりじりと距離を詰めていく。弱さを見せまいと、必死に背筋を張った。

「吉崎直子。これで満足? 絡んできたのは神崎晴子でしょ。なんで私まで巻き添えにするのよ!」

直子は目を細め、氷のような声で返す。

「知ってたんでしょ。だったら共犯みたいなもの。仮に無関係でも、私が落としたいと思ったら落とす。あなた……」

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