第43章

林原澄子はふっと笑い、答えを濁した。

「ついて来れば分かるわ。会わせたい人がいるの」

吉崎直子は何も言わず、林原澄子の後について中へ入った。庭を抜け、離れへ向かう途中、使用人が三人いる。

落ち葉を掃く者、花木の手入れをする者、そしてもう一人は廊下の下に静かに立ち、いつでも奥の人に呼ばれれば動けるような気配を纏っていた。

吉崎直子はそれとなく辺りを見回し、奥にいる人物は相当な年配だろうと見当をつける。

案の定、離れの茶卓のそばに座っていたのは、腰の曲がった老翁だった。

七十、八十は越えていそうだ。髪は真っ白なのに、目だけは鋭く澄み、頬には血色が差している。驚くほど覇気があり、全身か...

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