第44章

吉崎直子は、ぽかんとした。

林原家、羽島家と肩を並べる『三大名家』の一つ。その白石家が抱える、あれほど巨大なグループを――いきなり自分に任せると言うのだ。

我に返った直子は、反射的に首を振った。

「……急すぎます。私は大きなグループを運営した経験がありません。白石お爺さん、ほかの方をお探しください」

軽々しく受け取っていい『権限』じゃない。

考えるまでもない。白石グループの中は、きっと相当深い。だからこそ白石お爺さんは回り道を重ねても、いまだに継ぐに足る人材を見つけられずにいる。

白石崇介が焦ったように身を乗り出す。

「経験なんて、これから積めばいい。私は人を見る目には自信があ...

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