第45章

羽島浩介は本来、隣の羽島家の邸へ向かうつもりだった。だが吉崎直子の家に白石お爺さんがいると知り、足を止めてから、こちらへ回ってきてドアを叩いた。

扉が開くと同時に運転手も入ってくる。手には、半身ほどもありそうな大きな食盒。

さらにそれはビロードで包まれていて、サイズからして七段か八段はありそうだった。

羽島浩介はまず直子を一瞥し、短く言う。

「おめでとう」

「……何が?」

直子は眉をひそめた。

「白石お爺さんに気に入られて、義理の孫にまでなったこと」

羽島浩介の目には、どこか含みがある。

「お爺さんに見込まれるなんて、よほど目をかけられたんだろうね」

直子は探るような視線...

ログインして続きを読む