第53章

彼女が姿を現した途端、平村俊を含むスタジオの面々は、揃ってほっと息を吐いた。

身長180cmを優に超える大宮など、泣き出しそうな顔で叫ぶ。

「ボス……来てくれた!」

吉崎直子は軽くうなずいた。

「いいから、泣くな。私が片を付ける」

大宮の肩をぽん、と叩き、直子はくるりと向き直る。スマホを掲げ、配信を続けている連中へ視線を投げた。

「配信、切って」

刃みたいな声。空気がぎゅっと縮む。

記者たちは一瞬固まり、怯えたように手を伸ばしかけた――その瞬間。

吉崎由紀が冷笑し、記者の動きを遮る。そして顔を上げ、直子を睨み据えた。

「なに? やましいんでしょ。配信されたら、あんたたちの...

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