第87章

『羽島喜太郎?! あんた、血も涙もないの?!』

羽島の言葉が引き金になった瞬間、吉崎由紀は理性を失った。喉が裂けるほどの声で喚き散らす。

『こっちは今、こんなに追い詰められてるのに……そのタイミングで捨てるつもり?!』

『好きだって言ったじゃない! 愛してるって……!』

罵声を浴びせられ、男の顔つきも底冷えしたものへと沈んでいく。

『俺に心がない?』

『吉崎由紀……このところお前がやらかしてきた馬鹿な真似、少しは自分で見直してみろよ』

『盗用はまだしも、記者まで連れて病室に押しかけて吉崎直子を囲うなんて……何を企んでた?』

『それに、お前の醜聞で今日、羽島グループの株が2ポイ...

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