第91章

彼女は一気に男へ踏み込み、相手が目を見開いた、その瞬間――瓶を握った手首へ、容赦なく手刀を叩き込んだ。

次の刹那、骨が嫌な音を立てるのと同時に、大男の喉から凄まじい悲鳴がほとばしる。あまりの凄惨さに、聞いているだけで頭皮がぞわりと粟立った。

その光景を目にした仲間たちの顔色が、さっと変わる。

だが、吉崎直子の動きは止まらない。流れるように脚を振り上げ、そのまま飛び蹴りを一閃。少年を押さえつけていた大男の肩口へ、まともに叩き込んだ。

ぱきり、と乾いた音。

男の腕は力を失ったようにだらりと垂れ下がり、そのまま身体の脇へ落ちる。どうやら、肩が外れたらしい。

その隙を、少年は逃さなかった...

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