第110章 再び捕まる

 上から振られた仕事だ。葉山ゆうに断れるはずがない。

 もっとも、彼女にも彼女なりの打算はあった。この案件を口実にして加島敏の件を断れるなら、それはそれで願ったりかなったりだ。

 別荘までは、市街地から3時間。

 葉山ゆうはバスを2本乗り継ぎ、降りた頃にはもう次の便もなかった。仕方なくタクシーを拾う。

 だが彼女は知らない。後ろでは、松本特別補佐の車がずっとつけてきていたことを。

 松本特別補佐は数十メートルの距離を保ったまま追走していた。そんなとき、不意に1台のミニバンが横から突っ込んでくる。彼はとっさに急ブレーキを踏んだが、間に合わない。激しい衝突音が弾けた。

 「ドンッ――...

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