第11章 結婚中の不倫

真田修一の足がまだ敷居をまたぐ前に、背後から日向茜の声が追いすがった。

「真田修一」

叫びもしない。泣きもしない。異様なほど平坦な声。

「私、この先ずっと真相を知れないって言ったよね?」

真田修一の背が、わずかに止まる。

日向茜はベッドの縁に手をつき、ふらつく膝をこらえて立ち上がった。膝は震えているのに、背筋だけはまっすぐだった。

「だったら言っておく。私は手も足もある、頭だってある。この街なんて大して広くない。掘るべき記録は掘る、会うべき人間には会う、追うべき手がかりは一本ずつ拾い上げる。私の手で」

「言わないなら自分で調べる。あんたが隠してきた腐った話、残らず引きずり出して...

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