第23章 ノート

寺内安はしゃがみ込み、日向茜の手首を取って裏返した。

「これ、もう一回ちゃんと処置しないと。私じゃ専門の器具がないの」

見れば見るほどぞっとして、彼女はぱっと立ち上がると車のキーを掴んだ。

「行こう。研究所まで送る。相澤先生のところへ」

「もう遅いし、明日に――」

「日向茜」

寺内安が遮った。声が不意に低く沈む。

「この命、あんた自身がもうどうでもいいって思ってても、友達の私は見過ごせない。今日は絶対に行く」

日向茜は口を開きかけ、けれど結局、それ以上は言い返さなかった。

40分後。研究所。

相澤永知はグレーのパーカー姿だった。ついさっきまで実験室にいたのがひと目でわかる...

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