第28章 配偶に先立たれる

日向茜も目の前の白湯のグラスを持ち上げ、宙へ軽く揺らしてみせた。

「はじめまして、真田社長。真田社長のお金が、ちゃんと価値ある形で使われますように」

声は淡々としていて、抑揚が一切ない。

真田修一はグラスを握る手をぴたりと止めると、そのまま仰け反るようにして中の強い酒を一気に飲み干した。

しばらく飲み進めたあと。

周防哲が少し飲みすぎたのか、口が軽くなり始めた。

「真田社長、いやぁ本当にすみません、こんな夜遅くにわざわざ……。そういえば、来月ご結婚されるんですよね? おめでたい話だ! さ、1杯。奥さまと末永くお幸せに!」

真田グループ社長が、林田家の令嬢・林田知代を迎えるらしい...

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