第33章 彼女の体には治療の痕跡がある

家庭医は鞄を放り出すように床へ置くと、すぐさま前に出て聴診器を当て、血圧と酸素飽和度を測った。

ひと通り診察を終えた瞬間、その顔色がさっと変わる。

「真田社長、SpO2は87しかありません。心拍数も急速に低下していますし、高熱は40度近いです」医師の声が強ばる。「現在、消化管の活動性出血があります。ショックの前兆も出ています。こちらの設備では止めきれません。今すぐ病院へ搬送してください!」

「なら、行くぞ!」

真田修一は傍らの清潔な薄手の毛布をひったくるように掴み、彼女の身体を隙間なく包み込んだ。そのまま毛布ごと横抱きにして、階段を大股で駆け下りる。

「仁愛だ! 一番早い道を使え!...

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