第60章 撞破られた?

真田修一の足音が、遠ざかっていく。

日向茜は洗面台に手をついて身体を起こし、短く息を整えた。

砕けたシャワーヘッドはまだ勢いよく水を噴き、ばしゃばしゃとタイルを叩く音が神経を逆撫でする。彼女は頬についた冷たい水を乱暴に拭い、そのまま一歩ずつ浴室を出た。

休憩室の絨毯、壁際の隅に戸田己が倒れている。日向茜は駆け寄り、しゃがみ込んで鼻先に指を寄せた。

――よかった。気を失っているだけ。

早く人を呼んで、病院に運ばなきゃ。

濡れきったワンピースのポケットからスマホを探り当てる。画面は水が入り、ぴくり、ぴくりと点滅したが、ぎりぎり生きていた。

周防哲の番号を呼び出し、通話ボタンを押す。...

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