第7章 ひざまずいて俺に懇願しろ

日向茜は大股に一歩踏み込み、真田修一の行く手を遮った。

「せいぜい30分」

あごを上げ、陰りを宿したその目をまっすぐ見据える。喉の奥がきゅっと締まり、声が張り詰めた。

「今日、絶対に離婚する。署名が終わったら、好きにすればいい」

真田修一はスマホを握ったまま、手の甲に青筋を浮かせる。受話口の向こうからは、林田知代の泣き叫ぶ声がかすかに漏れ、耳障りなくらいに刺さった。

彼はまぶたを落とし、日向茜の血の気のない顔を氷のように掃う。

「どけ」

起伏のない一言。それなのに、ぞっとするほど冷たい。

日向茜は退かない。むしろ半歩詰め、力の入りすぎた指先が震えた。

「手続きが終わるまで、...

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